― 快を求めるか、痛みを避けるか ―
人は複雑な生き物にみえます。
感情があって、理性があって、価値観があって……
でも、行動のスイッチは意外なほどシンプルです。
人は、いつもこの二つのどちらかで動いています。
① 快を得たい
② 痛みを避けたい
これだけです。
人間の行動のエンジンは、ほぼこの二つで回っています。
「そんなはずはない」と思いましたよね。
でも、そうなんです。
あなたが今日、行動した理由は?
あなたが今朝、学校や仕事に行ったのはなぜですか?
行っていない人は、昨日買い物に行ったのはなぜですか?
理由は必ず、
① 快を得たい
② 痛みを避けたい
このどちらかです。

「快を求める」行動とは?
たとえば――
- 学校に友達がいて楽しいから行く
- 仕事にやりがいがあり、誰かの役に立てるから行く
- 食べたいものがあるから買い物に行く
- 新しい服を着て、気分が上がるから買う
- 褒められたいから頑張る
これらはすべて、「快を得たい」が動機です。
「やりたい」「楽しい」「嬉しい」「気持ちいい」
その感覚を求めて、人は動きます。
「痛みを避ける」行動とは?
一方で、こんな行動もあります。
- 行かないと怒られる、心配されるのが嫌だから学校や仕事に行く
- 行かないと迷惑をかけるから行く
- 買い物に行かないと夕飯がなくなるから行く
- 嫌われたくないから我慢する
- 失敗して恥をかきたくないから挑戦しない
これらはすべて、「痛みを避けたい」が動機です。
「やらないとマズい」「失いたくない」「傷つきたくない」
その不快を避けるために、人は動きます。
だから私たちは、
一見「嫌なこと」に見える行動でも、
それをやる方が“マシ”だと感じているから、やっているのです。
快と痛みの感じ方は、人それぞれ
ここが、とても大事なポイントです。
同じ出来事でも、
人によって「快」か「痛み」かはまったく違います。
人前で話す
- Aさん:評価される(快)
- Bさん:恥をかくかも(痛み)
叱る
- Aさん:優越感が満たされる(快)
- Bさん:嫌われそう(痛み)
新しいことに挑戦する
- Aさん:ワクワクする(快)
- Bさん:失敗したら怖い(痛み)
だからこそ、
「なんでそんな行動するの?」が生まれます。
その人は、
その行動を 「快」 と感じているか、
「やらない方が痛い」 と感じているだけなのです。
痛みには「慣れ」が起きる
ここからが、とても大事な話です。
痛みは、慣れます。
そのため、痛みを避ける行動は即効性がありますが、
いずれ効かなくなり、より強い痛みが必要になります。
たとえば――
「良い子にしないとサンタさん来ないよ」
最初は「プレゼントがもらえない」という痛みを避けるために、
子どもは言うことを聞きます。
でも、それを何度も使うと、
その痛みに慣れてしまい、効かなくなります。
すると親は、
もっと強い脅しか、
別の痛みを探すしかなくなります。
さらに――
痛みを避け続ける生き方は、とても疲れます。
疲れると、人は行動できなくなります。
だからこそ、
行動のきっかけは「痛み回避」でもいい。
でも、どこかで「快」に切り替えた方が、人生は続きます。
まとめ
人は、
- 正しいから動く
- 優しいから動く
- 性格だから動く
のではありません。
「それをやる方が快か、やらない方が痛いか」
それだけで行動しています。
次回はいよいよ、
この「快と痛み」がどうやって感情を生み、
人を振り回していくのかに踏み込みます。
シリーズ構成
📄 第1回 人間の行動は、たった二つで決まる
― 快を求めるか、痛みを避けるか ―
📄 第2回 なぜ人間は感情に振り回されるのか?
― 欲求と感情が行動に与える影響 ―
📄 第3回 あなたが求める感情は、たった6つだけ
― アンソニー・ロビンズの「6ヒューマンニーズ」―
📄 第4回 あなたを動かしている欲求を丸裸にする
― 6ヒューマンニーズ徹底解説 ―
📄 第5回 なぜ同じ行動なのに、理由(欲求)が違うのか?
― 6ヒューマンニーズがあなたの心を支配する理由 ―
📄 第6回 簡単診断:あなたの優先ニーズはズバリこれ!
― 24の質問で、あなたを動かす2つのニーズを特定する ―
📄 第7回 「相手の優先ニーズがわかれば、人間関係は一気にラクになる」
― ニーズを知って、相手の行動原理を読み解く ―
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