第4回 あなたを動かしている欲求を丸裸にする

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― 6ヒューマンニーズ徹底解説 ―

第3回までの整理

第3回では、
人間の感情や行動は、突き詰めると6つの欲求(ニーズ)に集約できる、という話をしました。
ここで一度、大事な前提を整理しておきます。

  『人の欲求(ニーズ)はこの6つに分類できる』
  『欲求(ニーズ)の種類に優劣はない』
  『人は必ずどれかの欲求(ニーズ)を優先している』

第4回では、
この6ヒューマンニーズを
一つずつ、できるだけ噛み砕いて解説していきます。


6ヒューマンニーズとは何か

6ヒューマンニーズとは、
アンソニー・ロビンズが提唱した
「人間が無意識レベルで満たそうとしている6つの欲求(ニーズ)」
のモデルです。

ここで重要なのは、
無意識レベルという点です。

人は頭で考えて行動しているようで、
実際には

「無意識の中で満たしたい欲求(ニーズ)があり、それを満たすために」行動を選んでいます。

そして、アンソニー・ロビンズが6ヒューマンニーズを提唱したのは、
その無意識の欲求(ニーズ)がわかり、
意識上に持ってくることができたなら、
心の設計図として見ることができるなら、
心の設計図を書き換えることができるのではないか、
と考えたからです。

心の設計図を書き換えることができれば、行動が変わり、
行動が変われば、結果が変わる

だからこそ、6ヒューマンニーズという概念を知って、
無意識の欲求(ニーズ)を意識上へ浮かび上がらせようとしたのです。


人間を動かす6つの欲求(ニーズ)

① 確実性(Certainty)

キーワード
安心・安定・安全・予測可能性

この欲求(ニーズ)は、
キーワードのように「安定していること」が大事です。

そのため、
「先が読めない状態」に強いストレスを感じます。

  • 生活や収入が安定しているか
  • 予定が決まっているか
  • 予想外の出来事やサプライズは苦手

こうした「大丈夫そう」という感覚が、
常にある方が安心して過ごせるので、
そういう選択をする傾向が強いです。

  • 安定した収入の職業を選んだり、結婚相手に求めたりする
  • ルーティン作業をしていると安心する
  • 慣れた人間関係を好む、知らない人が多いと不安になる
  • 行きつけの店でお決まりのメニューを選ぶ
  • コントロールできている感覚が好き
  • 安全運転、安心安全を好む

② 多様性・不確実性(Variety / Uncertainty)

キーワード
変化・刺激・驚き・ワクワク

この欲求(ニーズ)は、
キーワードのようにワクワク感刺激的なものを求めています。

そのため、
同じ毎日や刺激のない日々に強いストレスを感じます。

  • 新しいこと
  • 変化
  • 予想外の出来事・サプライズ

こうした
「ワクワク感」「ドキドキ感」「ハラハラする」
ような感覚が好きで、
そういう感覚を得られる選択をする傾向が強いです。

  • 新しい趣味にすぐ手を出す
  • 環境を変えたくなる
  • 刺激的な人間関係を好む
  • 絶叫マシンに乗ったり、スカイダイビングなどやってみたい
  • 冒険家
  • 新しい店をみると入ってみたくなる
  • いつも新しい彼氏・彼女がいる
  • 知らないメンバーの食事会などに進んで参加するタイプ
  • 不確実性があることで、エネルギーが湧く

ここまで説明すると気づかれる方がいると思いますが、
①確実性と②多様性・不確実性は相反する欲求(ニーズ)となります。

だからといって、
どっちかだけ持っているかというとそうではありません。
強弱はあれど、
多くの人はどちらも持っています。


③ 重要感(Significance)

キーワード
特別・価値・必要とされたい

この欲求(ニーズ)は、
自分には価値がある特別な存在だ」と感じたい欲求(ニーズ)です。

そのため、
自己の存在が蔑ろにされることに強いストレスを感じます。

  • 認められたい
  • 評価されたい
  • 自分は他とは違うと思いたい

こうした
「特別感」「認められた感」を得られるような行動を選択する傾向が強いです。

  • 成果を出そうとする
  • 肩書や立場を重視する
  • 比較の中で自分の価値を測る
  • SNSで炎上するような動画を投稿する
  • 誰かを怒鳴り散らす、上司に反抗する
  • お金持ちになろうとする
  • 誰かの評価を下げるような悪口などを言う
  • 権力争いをしやすい(マウントをとりたがる)

④ 愛・つながり(Love / Connection)

キーワード
愛されたい・理解されたい・所属したい

この欲求(ニーズ)は、
誰かとのつながり連帯感を求めています。

そのため、
一人になることや孤独に強いストレスを感じます。

  • 誰かとつながっていたい
  • 仲間でいたい
  • 関係を壊したくない

こうした
連帯感やつながりを得られるような行動を選択する傾向が強いです。

  • 人に合わせる
  • 我慢しやすい
  • 関係性を最優先する
  • いつも誰かと付き合っている(シングルの時がない)
  • 反対意見を恐れる、または自分からは言わない
  • 集団行動を好み、単独行動を嫌う
  • 意見を言う側ではなく、どちらかというと聴く側にまわる
  • 誰かの承認がないと行動に移せない

ここまで説明すると気づかれる方がいると思いますが、
③重要感と④愛・つながりも相反する欲求(ニーズ)となります。

これも、
どっちかだけ持っているかというとそうではありません。
強弱はあれど、
多くの人はどちらも持っています。

そして、この
①確実性
②多様性・不確実性
③重要感
④愛・つながり

の4つの欲求(ニーズ)は基本ニーズとなり、
日常生活を維持するための生存的な欲求(ニーズ)となります。

Screenshot

⑤ 成長(Growth)

キーワード
前進・学習・進化

この欲求(ニーズ)は、
成長したい進化したい、もっと学びたいという欲求(ニーズ)です。

そして、⑥貢献の欲求(ニーズ)にも関わってきますが、
どちらかというと誰かのために
自分をどう成長させていくかという視点での欲求(ニーズ)なので、

自分の能力を高めて強くなる、
誰かに認められるなどの③重要感からくる成長欲求(ニーズ)とは
少し別次元です。

  • 学びたい
  • 成長したい
  • 進化していきたい

こうした成長につながる行動を選択するようになります。

  • 勉強やトレーニングを意欲的に続ける
  • 挑戦をやめない
  • 進学したり、セミナーに通ったりする
  • 新しい難しい問題に取り組む
  • 試練の多い道を選択する

⑥ 貢献(Contribution)

キーワード
誰かの役に立ちたい・価値を与えたい

この欲求(ニーズ)は、
6つの中で最も外向きの欲求(ニーズ)で、
文字通り他者への貢献です。

これは見返りを求めない貢献です。

何かをして、
誰かから感謝されたい、
「あなたのおかげ」って言われたい、
というような承認欲求が原動力となっている貢献とは
全く別次元ですので、お間違いのないようにお願いします。

  • 誰かの役に立ちたい
  • 社会貢献、地域貢献したい
  • 誰かのために何かを変えていきたい

こうした広い視野で
何かに貢献できる行動を選択するようになります。

  • 人を支援する
  • 教える
  • 社会活動に関わる
  • 寄付をする
  • 奨学金支援をする

行動を決めるのは「トップ2〜3」

人は6つすべてを持っていますが、
特に優先度が高い2〜3個が、

  • 行動パターン
  • 感情の出方
  • 人生の選択

を大きく左右します。

これを理解すると、
「なぜ自分はよくこのような選択をして行動するのか」
「なぜあの人はあのような行動をするのか」
がわかるようになってきます。

そしてさらに理解ができてくると、
その欲求(ニーズ)を満たすために、
他の行動の選択肢を自分で選択できるようになります

また、この優先度の高い欲求(ニーズ)
相反する欲求(ニーズ)(確実性と不確実性、重要感と愛・つながり)が入っていると
ある行動を選択したために、
相反する側の欲求(ニーズ)が満たされないなどの
ジレンマが生じてしまう
ことがあります。

そのことについては、
第8回 自分で自分がわからなくなる瞬間 ― 生きづらさや葛藤は、優先ニーズの衝突が原因だった ―
で詳しく話そうと思いますので、そちらを参考にしてください。


まとめ

6ヒューマンニーズは、性格診断ではありません。

あなたの行動の理由を説明するための、構造モデルです。

次回は、
この6つの欲求(ニーズ)が
同じ行動でも、なぜ人によって理由が違うのかを解説します。

第5回 なぜ同じ行動なのに、理由(欲求)が違うのか
― 6ヒューマンニーズがあなたの心を支配する理由 ―

ここから、
他人の行動が「読める」フェーズに入ります。

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なかや たかと

なかや たかと

経歴
2007年杏林大学医学部付属病院看護専門学校卒業
2007年4月〜2011年3月杏林大学医学付属病院(救急、整形外科、緩和ケア)
2011年4月〜2015年3月札幌医科大学附属病院(救急)
2015年4月〜信州大学医学部附属病院(救急)

主な資格
正看護師、救急救命士、危険物取扱者乙4
(財)日本ライフセラピスト財団 認定コーチング、カウンセリング、恋愛アドバイザー、目標設定シニアアドバイザー
県DMAT、特定行為研修(術中麻酔管理パッケージ)

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