― モニタリングと限界突破 ―
今日は、「スポーツ・トレーニングコーチ」について説明していきます。
コーチングは、もちろんスポーツ界でも使われています。スポーツにおけるコーチの役割は、
- 練習メニューを考える
- 技術指導をする
- 戦術を組み立てる
など多岐にわたります。
しかし、コーチングという視点で整理すると、スポーツコーチの役割は大きく次の2つに集約できます。
- モニタリング
- 限界突破
① モニタリング
どんなに優れた選手でも、自分の状態を正確に把握できている人は意外と少ないものです。
好調なとき、不調なとき、フォームが崩れていても、
「今、自分がどうなっているか」
を、選手自身が即座に理解するのは難しい。
最近は映像技術が発達しているので、自分のフォームを映像で確認することもできます。それでも、コーチが必要な理由は、
- 客観的な視点
- 第三者の着眼点
を提供できる点にあります。
自分では気づかない部分を指摘してもらえると、選手は早く修正し、早く復調できます。
本当は「好調なとき」こそ重要
不調になってからコーチを頼る選手もいますが、本来は、
好調なときを知ってもらっていること
がとても大切です。
そうすることで、不調になったときに、
- 好調なときと何が違うのか
- どこからズレ始めたのか
が明確になり、より早く解決策が見つかります。
これが、モニタリングです。
不調に陥る一般的なサイクル
多くの人は、次のような流れに入ります。
好調
→ 結果が出る
→ 疲労が溜まる(怪我をする)
→ フォームが崩れ始める
→ 結果が出なくなる
→ 不調になる
→ 修正・休息(怪我を治す)
優れたコーチが介入するポイント
優れたコーチは、次の段階で気づき、介入します。
好調
→ 結果が出る
→ 疲労が溜まる(怪我をする)
→ フォームが崩れ始める ←ここ
ここで修正が入るため、
- 大きな不調に陥らない
- 怪我を防げる
- 結果を出し続けられる
のです。
だからこそ、日々のモニタリングが非常に重要になります。
② 限界突破
次は、限界突破です。
人間の脳は、おおよそ30%程度の出力で「もう限界だ」というサインを出すと言われています。
実際には70%以上の余力が残っていても、脳は生命を守るため、早めにブレーキをかけるのです。
火事場の馬鹿力の正体
いざという時に普段以上の力が出る「火事場の馬鹿力」。
これは、普段セーブされている出力が解放された状態です。
サバンナでライオンに襲われたときのような生命の危機に備えた、脳の防御機能だと考えられています。

※ちなみに、馬などは100%出力を出してしまうため、競馬後に突然死することがあるとも言われています。
ここでコーチの出番
現代社会では、サバンナでライオンに襲われるような生命の危機はほとんどありません。
それでも、脳は30%で限界サインを出してしまう。
だからこそ、ここでコーチの役割が生きてきます。
トレーニング現場の光景
バーベルを持ち上げる選手の横で、
- 「あと1回!」
- 「もう1回!」
- 「いける!」
と声をかけるコーチ。
あれが、限界突破です。
選手一人では、脳の「もう無理」というサインをなかなか超えられません。
コーチが声をかけることで、
30% → 31%
31% → 32%
と、少しずつ限界を押し広げていきます。
この積み重ねによって、脳のプログラミングが書き換えられ、40%、50%と本来の力を引き出せるようになるのです。
なぜ一人ではできないのか
どんなに意志が強くても、どんなに気合いがあっても、限界突破は一人では難しい。
なぜなら、
「自分の限界は、自分が決めてしまう」
からです。
「もうダメだ」と思った瞬間が、その人の限界になります。
それを広げるのが、コーチの役割です。
※もちろん、無理をさせて怪我をさせることではありません。まだ余力があるのに、脳が先にブレーキをかけている部分に抗う力を与えるのです。
スポーツコーチの役割は、実は…
スポーツ・トレーニングコーチにおけるコーチの役割は、
- モニタリング
- 限界突破
この2つです。
そしてこの役割は、スポーツに限った話ではありません。
コーチングの現場でも同じ
実際のコーチングでも、コーチはクライアントをモニタリングします。
- 姿勢が小さくなっている
- 声のトーンが下がっている
- 前回と比べて表情が違う
こうした変化を捉え、フィードバックします。
また、成長や自信を得るためには、限界突破が欠かせません。
限界を越えなければ、その先の成長も自信も得られないからです。
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