― 怒りの源(マイルール)との付き合い方 ―
※この実践編から読まれている方へ
本記事は、アンガーマネジメント「怒りの源編」の続きです。
怒りの仕組みを知らないと、実践はうまくいきません。
必ず先にそちらをご覧ください。
前回の復習
怒りの源とは、自分の「◯◯ルール(マイルール)」を他人が破ったときに生じます。
怒りが湧いたとき、あなたがまず選択できることは次の3つです。
- 自分の「マイルール」を手放すか
- 保持するか
- 保持するなら、そのルールを開示するか
もし開示できない場合は、「この状況では自分は怒りやすい」ということをあらかじめ自覚しておくことが大切です。

では、実践編へ
アンガーマネジメントは、怒らない人になることではありません。
怒りが湧いたときに、どう対処するか。それを扱う技術です。
手順① 「あっ、今、私怒ってる」と気づく
怒りを感じたら、まずこう思ってください。
「あっ、私、今怒ってる!」
これに気づけた時点で、すでに第一段階は合格です。
もしその場で気づけなくても大丈夫です。その日の夜に、
「今日、あの時ちょっと怒ってたな」
と思い出すだけでもOKです。
実は僕自身も、その場では気づかず、「今日ずっとモヤモヤしてたな…」と一日を振り返って、弱い怒りが持続していたことに気づくことがあります。
手順② 怒りの原因となった「マイルール」を探す
次に考えるのはこれです。
- なぜ怒りが湧いたのか?
- どんな「マイルール」が破られたのか?
よくある例
誰かの遅刻に怒った
→「時間を守るのは当たり前」
→「みんなに迷惑をかけてはいけない」
挨拶してこない後輩にイラッ
→「挨拶は後輩からするべき」
提出期限ギリギリで相談された
→「修正時間を考慮すべき」
→「私の予定を無視してはいけない」
こうしたマイルールを挙げていくと、本当にキリがありません。
でも、私たちは大量のマイルールを持っているからこそ、日常的に怒りが湧くということを、まず知っておいてください。
手順③ マイルールを「保持するか/放棄するか」選ぶ
ここが一番大事です。
そのマイルール、本当に必要ですか? これからも持ち続けたいですか?
マイルールには、
- 自分で作ったもの
- 知らないうちに刷り込まれたもの
があります。
気づいた瞬間に、「え、私こんなルール持ってたの?」と驚くこともよくあります。
だからこそ、気づいた時点で「保持する」か「放棄する」かを、自分で選べるのです。
僕の例:「挨拶は後輩からするべき」
これは、野球部時代に刷り込まれたマイルールでした。
でも社会人になると、
- 先輩が誰かと話している
- パソコンに集中している
- そもそも気づいているかわからない
そんな状況で、挨拶しづらいことってありませんか?
そもそも、なぜ後輩から挨拶しないといけないのでしょう?
気づいた人が挨拶すればいい。そう思い、僕はこのマイルールを即、放棄しました。
すると面白い変化が起きました。
以前は、後輩から挨拶されても「当たり前」。
でも今は、後輩から挨拶されたら「この人、ちゃんとしてるな」と感じる。
同じ行動なのに、受け取り方がまったく変わったんです。
※注意
マイルールを捨てると決めても、明日からすぐ怒らなくなるわけではありません。
長年染み込んだルールなので、何度も同じことで怒ると思います。
それでも、
「あ、これ捨てたルールだったな」
と気づき続けてください。筋トレと同じで、繰り返すことで反応しなくなります。
手順④ マイルールを「保持する」場合
マイルールを保持する選択も、とても大切です。なぜなら、あなた自身はマイルールでできているからです。
保持すると決めた場合は、可能な範囲で周囲に開示してください。

開示されているルールは、周囲も簡単には破りません。
僕が保持したマイルール
「自分で言ったことは、必ず実行する(実行しようと努力する)」
僕は「口だけで、実際に何もしない人」に強い怒りを感じることに気づきました。
そこでこのマイルールを保持し、チームにこう伝えました。
- できないなら最初に言ってほしい
- 途中で無理だと感じたら、その時点で言ってほしい
- やると言ったことには最善を尽くしてほしい
すると、
- 無理なことは最初から表明される
- 得意・不得意が可視化される
- チームの信頼関係が強まる
という副産物まで生まれました。
大切な問い
ここで一つ、重要なことを伝えます。
あなたのマイルールを他人が破ったとき → 「怒り」が生じます。
では、あなた自身が破ったとき → 何が生じるでしょう?
答えは、
「罪悪感」
です。

たとえば、「遅刻されるのが嫌だから、自分も10分遅れて行く」
これは怒りは減るかもしれませんが、あなたは罪悪感を抱くことになります。
どちらを選ぶかは、あなた自身です。
まとめ
僕の推奨するアンガーマネジメントは、このマイルールへの気づきと選択が基本です。
もちろん、
- 距離を置く
- 深呼吸する
- 気をそらす
といった一般的な方法も使えます。
でも土台は、「自分の怒りの正体を知ること」。
怒りのエネルギーを使って普段やらないことを一気に終わらせる方法など、他にもやり方はあります。
また機会があれば、そのあたりも書いていきます。

これで、Aさんが少しでも怒りから解放され、自分らしい生活が送れることを願っています。
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