目標設定(SMARTの法則)

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 前回は目標設定に大事な3つのこと、「目的地」「現在地」「得られる感情」を明確にするということが必要であると説明しました。

 それでは、今回は実際の目標設定時の注意事項について説明していきます。

 日本人の多くは、目標設定するときに次のような言葉を使うのが好きです。
「努力する」「気を付ける」「頑張る」「注意する」「最善を尽くす」

コーチ

コーチ

 どの言葉も、目標にするととても響きがいいですが、僕がコーチなら目標にこの言葉が入っている時点で「No!」を突きつけます。
 なぜなら、上記の言葉は、定義が曖昧であり、測定不可能だからです。

 例えば、「夏休みは早起きするように努力する。」と夏休みの目標を立てた場合、朝8時に起きた日、朝9時に起きた日、または朝6時に起きた日は目標達成ですか?

 こういう目標は、達成したかどうかがとても主観に左右されてしまいます。夏休み最後の日に、目標の達成状況を評価する場合、「私は頑張った!努力できたので◎」となる人と「頑張れなかった日もあったから、△かなぁ」となる人もいると思います。その違いに明確な判断基準はなく、主観で左右されます

 なぜこれがいけないかというと、できなかった時に、なぜできなかったのか、次どうしたらできるようになるか、どのように方向転換していかなければいけないのかがわからなくなるからです。改善ができないということは、達成不可能な目標になってしまう可能性が高くなるからです。

そのために、目標設定にSMARTの法則を利用します。
Specific(具体的な)
Measurable(計測可能な)
Achievable(達成可能な)
Relevant(関連性のある)
Time-bound(期限付きの)
の頭文字をとってSMARTの法則となっています。

一つづつ具体的に説明していきます。

Specific(具体的な):数値化して、誰がみてもやっても、目標が達成したと判断できるものに設定します。 例「夏休み期間中は、朝8時に起床する。」
Measurable(計測可能な):進捗状況や経過が計測可能であるとより良いです。夏休みの早起き目標に、「達成指標は8割達成でS評価、7割達成でA評価、6割達成でB評価」と追加してみてください。
 夏休みの日数は決まっているので、S評価の8割にするには、何日は早起きしないといけない日は何日あって、この日とこの日はゆっくり寝ててもいいかな?というように、より具体的に計画が立てられると思います。また、これは誰が評価しても起きた時間を記録していくだけで、評価できます。努力したは評価できないですが、起床した時間は誰がみても評価できます。
 実際に最後に誰がみても同じ評価になるような、記録が残せることが理想です。計測可能なは記録が残せる、残るという視点で考えてみても良いと思います。

Achievable(達成可能な):全く達成できそうにない目標は、無意味です。「夏休みは毎日6時に起きる!」と目標を立てたところで、初日に寝坊したら、その時点でそれ以降この目標はどんなに頑張っても達成できない目標になってしまいます。現実で達成可能な目標にしましょう。
 でも最近の若い世代の傾向として、この達成可能な目標と説明すると、僕からすると基準が低く、努力しなくても達成できてしまうような目標にしてしまう方がいます
   クライアント「夏休みは10時までには起床する。」
   コーチ『普段何時に起きているんですか?』
   クライアント「8時です。どんなに遅くても9時には起きますね。朝ごはんを親が作ってくれているので食べるために起こされるんです。」
   コーチ『では、必ず目標達成できそうですね。(笑)』

 こんな目標は意味ありますか?達成したところで達成感ありますか?

Relevant(関連性のある):自分が達成したいと思うかどうか、自分の興味や関心とかけ離れた目標では、達成しようとする努力がそもそも湧いてこない。
 前段で例に挙げたクライアントはとりあえず達成可能な目標を掲げてくれました。しかし、この関連性のあるというところで、夏休み早起きしたところで自分は何も得られないと考えて、目標を修正しました。クライアント自身が、達成した時にワクワクできるような目標にしましょう。

Time-bound(期限付きの):期日はmastです。ダラダラ続く終わりなき戦いは疲弊するだけです。むしろ、期日は短めに設定し、こまめに目標修正をできると僕は良いと思います。
 1週間程度の小目標を立てて、1ヶ月毎に中目標、3ヶ月〜6ヶ月の大目標というように、スモールステップをクリアしていくような、目標設定ができるとよりモチベーションが維持しやすいし、軌道修正が途中で可能なので、目標達成がより高い基準で可能になります。

 

コーチ

コーチ

 SMARTの法則は有名で、いろいろな本やWeb記事もたくさんあるので、僕の説明でしっくりこない人は、他もみてみて下さい。
僕は、S(具体的な)M(計測可能な)T(期限付きの)の3つは最重要であると考えています。
 良い目標設定は、それだけで達成意欲を向上させてくれますが、良くない目標設定は、無駄な努力だけを強いられて、結局何も変わらなかったという厳しい現実を突きつけられます。ぜひみなさんも、SMTだけは意識してみて下さい!

なかや たかと

なかや たかと

経歴
2007年杏林大学医学部付属病院看護専門学校卒業
2007年4月〜2011年3月杏林大学医学付属病院(救急、整形外科、緩和ケア)
2011年4月〜2015年3月札幌医科大学附属病院(救急)
2015年4月〜信州大学医学部附属病院(救急)

主な資格
正看護師、救急救命士、危険物取扱者乙4
(財)日本ライフセラピスト財団 認定コーチング、カウンセリング、恋愛アドバイザー、目標設定シニアアドバイザー
県DMAT、特定行為研修(術中麻酔管理パッケージ)

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