目標設定の注意点
― SMARTの法則をどう使うか ―
前回は、目標設定において大切な3つのこと、
1 目的地(目標)
2 現在地
3 達成したときに得られる感情
この3つを明確にする必要がある、という話をしました。
今回は、実際に目標を設定するときの注意点について説明していきます。
日本人が好きな「目標ワード」
日本人が目標設定をするとき、よく使いがちな言葉があります。
- 努力する
- 気を付ける
- 頑張る
- 注意する
- 最善を尽くす
響きはとても良いですよね。
でも、もし僕がコーチなら、目標の中にこの言葉が入っていた時点で「No!」を出します。
なぜダメなのか?
理由はシンプルです。
これらの言葉は定義が曖昧で、測定不可能だからです。
たとえば、
「夏休みは早起きするように努力する」
という目標を立てたとします。
- 朝8時に起きた日
- 朝9時に起きた日
- 朝6時に起きた日
これは目標達成でしょうか?
評価は、完全に主観に委ねられます。
夏休み最終日に、
- 「私は頑張ったから◎」
- 「できなかった日もあったから△」
どちらの評価も成り立ってしまい、明確な判断基準がありません。
主観的な目標の問題点
なぜこれが問題かというと、
- なぜできなかったのか
- 次はどうすればいいのか
- どこを修正すればいいのか
これが見えなくなるからです。
改善できない目標は、結果的に達成不可能な目標になりやすい。

そこで使うのが、SMARTの法則です。
SMARTの法則とは
SMARTは次の頭文字です。
- Specific(具体的な)
- Measurable(計測可能な)
- Achievable(達成可能な)
- Relevant(関連性のある)
- Time-bound(期限付きの)
ここからは、一つずつ見ていきます。
S:Specific(具体的な)
誰が見ても、達成したかどうか判断できる形にします。
例:
❌ 「夏休みは早起きする」
⭕ 「夏休み期間中は、朝8時に起床する」
M:Measurable(計測可能な)
進捗や結果が数値や記録で残ることが重要です。
例として、
- 達成率80%以上:S評価
- 達成率70%以上:A評価
- 達成率60%以上:B評価
といった評価基準を設定します。
夏休みの日数は決まっているので、
- 何日は早起きする必要があるか
- 逆に、何日はゆっくりしてもいいか
が具体的に見えてきます。
「努力した」は評価できませんが、「起床時間」は誰が見ても評価可能です。
A:Achievable(達成可能な)
達成不可能な目標は、無意味です。
たとえば、
「夏休みは毎日6時に起きる!」
初日に寝坊したら、その時点で絶対に達成できない目標になります。
ただし注意点があります
最近の若い世代では、「達成可能」を意識しすぎて、努力しなくても達成できる目標にしてしまうことがあります。
例:
クライアント:「夏休みは10時までには起きる」
コーチ:「普段は何時に起きてますか?」
クライアント:「8時です。遅くても9時ですね」
……それ、意味ありますか?
達成しても、達成感はほとんどありません。
R:Relevant(関連性のある)
その目標は、
- 自分が本当にやりたいことか
- 興味・関心と結びついているか
が重要です。
関連性のない目標は、そもそも努力しようという気持ちが湧きません。
先ほどの例のクライアントも、
「早起きしても、自分は何も得られない」
と気づき、目標を修正しました。
達成したときにワクワクできるか。ここはとても大切です。
T:Time-bound(期限付き)
期限は必須(must)です。
終わりの見えない目標は、人を疲弊させます。
おすすめは、
- 1週間:小目標
- 1ヶ月:中目標
- 3〜6ヶ月:大目標
といったスモールステップ。
短いスパンで振り返り、修正できる方が、モチベーションも達成率も高くなります。
まとめ
SMARTの法則は有名なので、本やWeb記事もたくさんあります。僕の説明でしっくりこない人は、他の解説もぜひ見てみてください。
その上で、僕が特に重要だと考えているのは、
- S:具体的
- M:計測可能
- T:期限付き
この3つです。
良い目標設定は、それだけで達成意欲を高めてくれます。
一方、良くない目標設定は、
「頑張ったつもりなのに、何も変わらなかった」
という、なかなか厳しい現実を突きつけます。
ぜひみなさんも、まずはSMTだけ意識してみてください。
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