コーチングとは、クライアント(コーチングを受ける側)が目的地(目標など)へ到達するのを支援するために、コーチ(コーチングをする側)が行う意図的な技術的・精神的サポートのことをいう定義を前に説明しました。
そのため、コーチングではクライアントを目的地に到達させるという目的があるのです。
では、その目的地を目指すために必要な、目標設定について今回は話していこうと思います。
目的地(目標)は、当然のことながらクライアントが見つけなければいけません。クライアントの行きたいところ=目的地なのですから。
でも、多くの場合、実はクライアントが自ら見つけた目標というのは意外と少ないかもしれません。誰かに言われた目標、そうやらないといけない状況にあってそれを達成しなければと無意識のうちに自分の目標となっているなどのケースも見受けられます。
単に目標といっても、自らみつけたものか、そうでないかでモチベーションが違ってくるのが想像がつくと思います。
コーチ
本日は、目標設定でとても大事な3つを説明します!
1つ目「目標」「目的地」です。
とても当たり前と思われるがちですが、中にはこれが定まっていなく、ふわふわしている人がいます。
例えば、あなたがタクシーに乗ったとして、運転手さんに「どこ行きますか?」と尋ねられた時、
「有名なレストラン」
「おしゃれなカフェ」
なんて曖昧なことを言わないと思います。言ったとしたら運転手は困ります。なぜなら、運転手が思いついて連れていく有名なレストランが、あなたの行きたい有名なレストランではないかもしれないからです。
「〇〇市の□□駅北口まで」
とか具体的な場所を指してくれた方が、お互いに間違いなく到達するはずです。
しかし、コーチングしているとかなりこの目標・目的地が曖昧なことが多く困ります。
実際にクライアントがどこに行きたいのか、まだ定まっていないということもありますので、コーチングでは、そこを明確にしていく必要があります。
では、目標・目的地が定まったら次は・・・
2つ目「現在地」です。
現在地なんてみんな理解していると思ってしまいますが、実は自分の思っている現在地と、他人から見えている現在地には、結構なずれが生じている場合が多いです。この自分で自分のことを知るというのは、メタ認知能力とも言われていて、今後成長する過程では必ず必要になっていくので、現在地を知るという場面で鍛えていきたいものです。
自分を客観的にみるということは、結構むずかしいことではありますが、練習することで可能な限りみれるようになっていきましょう。
なぜ、現在地が大事なのかは、現在地が違うと、目的地へのルート変わってしまうからです。
カーナビで目的地があなたの北側に表示されています。もちろんあなたは北側に向かって進み始めるはずです。
しかし、そのカーナビにあなたの現在地が間違っていたら?
本当は目的地が東側にあるはずなのに、あなたは北側に向かって進み始めているかもしれません。
できていると思っていることがまだできていなかったり、まだできていないと思っていることが既にできていたりなど、コーチングをしているとよくあります。
クライアントが正しい立ち位置を、自ら確認できているかを、コーチは確認する必要があります。もしずれが生じている場合は、コーチングを通してズレを修正していく作業が必要になります。
そして最後に大切なのは、
3つ目「目標・目的地」をに着いた時、達成した時、
あなたはどんな感情を感じますか?感じるつもりですか?
人生の大切な時間を費やして、得られる達成感とはどんなものですか?
中には、この質問をすると、「これを達成してもあまり嬉しくないかもしれません。」と答える人がいます。だとすると、その時点でその目標・目的地は既に無意味です。多分、走り出してもすぐに挫折するか、投げ出してしまうでしょう。時間の無駄です。
例えば、子供が「プロ野球選手になりたい。」と言われたら、こう質問をします。
「なぜプロ野球選手になりたいの?あなたがプロ野球選手になったら、どんな気持ちになる?」
多くの子供は「有名になりたい」「試合で活躍してみんなからの歓声を浴びる」「ホームランをいっぱい打つんだ!」と目を輝かせながら表現することが多いです。
これは、自己承認欲求の表れです。だとしたら、有名になること、多くの人から歓声を浴びることができるのは、プロ野球選手だけではないので、もし将来なんらかの障壁が目の前に来たら、もっと楽で簡単に承認欲求を得られる違う目標に変わるかもしれません。
一方こんな答えが返ってきたら、「僕が、野球をやることで、多くの人に自分も頑張ろうと勇気を与えたり、元気を与えたり、よし明日も頑張ろうという気にさせることができたら、嬉しんだ。」って答えたら、大谷選手のようなスター選手になると僕は思います。違いは、自分のための努力になるか、他人のための努力になるかで、モチベーション、判断基準が大きく変わるからです。
目標・目的地はあくまでも、達成した時に得られる感情の手段でしかありません。必ずと言っていいほど、どこかで試練や障壁、挫折を味わうはずです。そんな時にも、目標・目的地へ向けて歩み続けるためには、その時にどんな感情を得られるかはとても重要です。
もし他の方法でその感情を得られるのであれば、どんなに素晴らしい目標・目的地だったとしても、いつまでもたどり着けずに、簡単な他の方法でその感情を満たしてしまうことでしょう。
コーチ
今回は、目標設定に大事な3つのことについて説明しました。この3つがしっかり明確になっていれば、目的地へのルートなんて無数にあるはずです。
最短距離で行かなくても必ずたどり着きます。そして、必ずどんなルートを辿ったとしても、試練は待ち構えています。その試練に打ち勝つにも、この3つは大事です。
逆に、大事な3つが明確でない場合は、試練にぶちあった時に容易に折れやすくなってしまいます。
みなさんも、折れてしまった経験ありませんか?
次回は、目標設定(SMARTの法則)について簡単に説明したいと思います。