物事の習得に必要なものは何か?

3 min 342 views

コーチングテクニックの前に

― 物事の習得に必要なものは何か ―

「コーチングテクニック」で検索して、このページにたどり着いた方もいるかもしれません。

ただ、テクニックを使う前に、事前段階がどれほど重要かについて、ぜひ一度立ち止まって読んでいただきたいと思います。

そのため今回は、物事の習得に必要なものは何かというテーマからお話しします。

なぜ、できなかったのか?

誰しも、「やろうとしたけれど、できなかった」「失敗してしまった」そんな経験があると思います。

少しだけ、過去のそんな場面を思い出してみてください。

そのとき、あなたは「なぜできなかった」と考えましたか?

  • 知識がなかったから
  • 根性ややる気が足りなかったから
  • 体調が悪かったから
  • タイミングや運が悪かったから

理由は、人それぞれだと思います。

学習は、複数の領域で成り立っている

教育の分野では、ブルームやガニェといった学者が、学習や習得をいくつかの領域に分類して説明しています。

(ここは専門的になるので、興味のある方だけ読んでいただければ大丈夫です。)

ブルームは、認知領域・情意領域・精神運動領域の3つに分類しました。
ガニェは、知的技能、認知的方略、言語情報、運動技能、態度という5つの学習成果に整理しています。
どちらに共通しているのは、「学習や習得は、単一の要因では決まらない」という考え方です。

僕が使っている、3つの視点

ここからは、僕自身が現場で使っている、もっとシンプルな整理の仕方を紹介します。

「何かができないとき」、僕は原因を次の3つの領域に分けて考えています。

Body(ボディ): 技術・知識・技能
Mind(マインド): 考え方・準備・気持ちなど、コントロール可能な部分
Spirits(スピリッツ): 価値観・信念・魂など、コントロールが難しい部分

Body:技術・知識・技能の領域

Bodyは、勉強や練習、研修、シミュレーションなどによって比較的改善が可能な領域です。

時間をかければ、多くの課題はクリアできます。

ただし、身体能力には限界があります。

  • 100mを9秒台で走る
  • ホームランを量産する

どれだけ努力しても、全員が到達できるわけではありません。

それでも、身体的な限界を超えない範囲であれば、最も改善しやすい領域だと考えています。

Mind:準備と考え方の領域

Mindは、実際の技術や知識を発揮するための土台です。

例えば、試合当日、電車が遅れて会場にギリギリで到達し、焦ったまま試験を受けて、普段なら解ける問題が解けなかった。

これは、マインドの問題です。

Mindは、事前準備や考え方、イメージトレーニングなどで改善できる可能性が高い領域です。

この領域に課題がある人にとって、コーチをつけることは非常に効果的だと思います。

Spirits:価値観の領

Spiritsは、価値観や信念、人生観といった部分で、最も介入が難しい領域です。

正直に言うと、この領域に問題がある場合、支援はかなり困難です。

もしこの部分が原因で苦しんでいるなら、無理に続けるより、別の道を選んだ方が楽になることもあります。

ただし、この領域が絶対に変わらないかというと、そうではありません。

人生が変わるような出来事や、強烈な感情体験によって、価値観が書き換わることもあります。

世界的なコーチが行う質問やイメージトレーニング、アンソニー・ロビンズのセミナーなどは、まさにこの領域に働きかけています。

できない理由は、どこにあるのか

何かができないとき、原因は必ず、

  • Body
  • Mind
  • Spirits

このどこか、もしくは複数に存在しています。

だからこそ、コーチングを行う際には、どの領域に問題があるのかを見極めることが何より重要になります。

野球で例えると

僕は野球が好きなので、野球で例えてみます。

「試合でヒットが打てません。何かアドバイスをください。」

そう言われたとき、僕はすぐにアドバイスはしません。

まず、試合や打撃の様子を見せてもらいます。

Bodyの問題:

  • スイング
  • タイミング
  • 構え
  • バットの握り
  • バットが合っているか

Mindの問題:

  • 試合前の準備
  • 打席までのルーティン
  • 配球の読み
  • 結果への意識
  • 緊張や力み

多くの場合、原因はこの2つ、もしくは両方にあります。

ただし、指導者の意見をすべて鵜呑みにしてしまう選手や、逆に誰の意見も聞かない選手の場合、そこには価値観の問題が潜んでいることがあります。

これは、僕が考えるSpiritsの問題です。

コーチングで大切なこと

原因によって、かける言葉も、支援の方法も変わります。

だからこそ、原因を正しく捉えることが大切です。

コーチ自身が何かを学ぶときも同じで、技術や知識ばかりに目を向けていると、MindやSpiritsの問題を見落としがちになります


ここまでを踏まえたうえで、次回からいよいよ、コーチングの基本的なテクニックについてお話ししていきます。

なかや たかと

なかや たかと

経歴
2007年杏林大学医学部付属病院看護専門学校卒業
2007年4月〜2011年3月杏林大学医学付属病院(救急、整形外科、緩和ケア)
2011年4月〜2015年3月札幌医科大学附属病院(救急)
2015年4月〜信州大学医学部附属病院(救急)

主な資格
正看護師、救急救命士、危険物取扱者乙4
(財)日本ライフセラピスト財団 認定コーチング、カウンセリング、恋愛アドバイザー、目標設定シニアアドバイザー
県DMAT、特定行為研修(術中麻酔管理パッケージ)

FOLLOW

カテゴリー:
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA