僕は常々コーチは、コーチングのテクニックに頼らないで欲しいと思ってますが、実際にはテクニックを最低限は使えないといけないとも思っています。そのため、実際にコーチングする際に使用するテクニック(技術)をお伝えしていきます。
コーチングで使用するテクニックは、大まかに分類すると3つになります。
1.聴くテクニック
2.承認する(受け入れる)テクニック
3.質問するテクニック
今回は、質問するテクニックについてお話ししていきます。質問するテクニックというのは、コーチングの中でコーチが使用する最大の武器(テクニック)です。
コーチングでは、質問を使って、クライアントの視点を変え、視座を変え、視野を変えていきます。そのため、質問せずにコーチングを行うことはできません。必ず質問します。だからこそ、質問するテクニック重要になってきます。
質問の種類は、オープンクエスチョン、クローズクエスチョン、未来型質問、過去型質問、肯定型質問などがありますが、そのまえに、質問をなぜ使うのかお伝えします。
まずは、以下の絵をみてください。
みなさんもよく知っているアップル社のロゴです。
普通のリンゴではなく一部欠けていますよね?
質問もロゴ同様に「何か」が欠けています。
「あなたは質問されたとき、どのような反応をしますか?」
多くの人は質問の『答え』を探そうとするはずです。
質問には「答え」が欠けているのです。
コーチングでは、質問し「答え」を探そうとする脳の働きを利用します。
例えば、
クライアント
「私は、優柔不断でいつもすぐに決められず、なかなか行動できません。だから、みんなに先を越されて、よくて3番手ぐらいなんです。」
コーチ
「そうなんですね。優柔不断でなにか得したことはありますか?」
クライアント
「得したことなんてありません。」
コーチ
「今まで優柔不断で得したことがないのですね?本当にたった一回もないですか?よーく思い出してください。」
クライアント
「そういえば・・・。前に係決めをしてたんですけど、みんなやりたい係をすぐに決めていって、私はおいてかれたんですけど、苦手な先輩が私がやりたいなと思っていた係に希望していたんで、私は2番目にやりたい係にしました。あの時は、すぐに決めなくてよかったなっておもいました。」
コーチ
「やっぱりありましたね。優柔不断ってネガティブな表現ですが、ポジティブな表現にしたらどんな言葉になると思いますか?」
クライアント
「思慮深い?熟慮を重ねる?思い付きで行動しない?とかかなぁ」
コーチ
「そうですね。良い面や役立っていそうなこともありましたね。」
こんな感じで、コーチングでは質問を通して、クライアントの視点や視座を変えていきます。ネガティブ側面しか見えていない場合は、ポジティブな側面を引き出してあげたり、過去の忘れ去られた出来事を、質問を繰り返すことで呼び起こしたりします。
これは、コーチが質問をしないとクライアントから自然とは出てきません。
だからこそ、コーチが必要であり、コーチの武器は質問なのです。
それでは、質問のテクニックとして質問の種類について少し説明していきます。
オープンクエスチョン:相手が比較的自由な答えを返せる質問
例)あなたの趣味はなんですか? あなたはどんな風に感じていますか?
クローズクエスチョン:YES or NO で答えられる質問
例)あなたはこれが好きですか? 絶対やりますか?
未来型質問:未来を考えさせる、これから起きることを想像させる質問
例)もしなんの制限もなくなったとしたら、あなたは何を一番やりたいですか?
過去型質問:過去を思い起こす、思い出させる質問
例)今回起きた自己は何が発端だったのでしょうか? 今まで一番嬉しかった出来事はなんですか?
肯定型質問:ポジティブな側面にフォーカスした質問
例)あなたが一番得意な事はなんですか? 今回、成功の要因は?
否定型質問:ネガティブな側面がみえる質問
例)なぜあなたはやらなかったのですか? 今回、失敗した原因は?
いろいろな質問の種類がありますが、これは使って、これは使ってはダメというものはありません。どの質問にも特徴があるので、コーチはその場面場面で、クライアントのフォーカス(視点)を変えたり、決断させたり、より内省を深めたりするのに、いろいろなタイプの質問を駆使します。
これがコーチングにおける、
コーチの役割だと私は考えています。
質問の種類による特徴やどんな時に使うのかは、また今度説明していきます。