アンガーマネジメントとは何か
― 怒りは「悪」ではない ―

今回は、勇気を持って直接質問してくれた、A子さん(仮名)の悩みを解決していこうと思います。
アンガーマネジメント研修、受けたことありますか?
アンガーマネジメントという研修、これまでに一度でも受けたことがある方は、どれくらいいるでしょうか。
意外とあちこちで開催されているので、「1回くらいは受けたことがある」という方も多いと思います。
では、もう一つ質問です。
アンガーマネジメント研修を受けて、本当に怒りをコントロールできるようになりましたか?
正直に言うと、僕自身、過去に「アンガーマネジメント」と名のつく研修を2回ほど受けたことがあります。
内容はどちらもほぼ同じで、実生活ではあまり役立たなかった、というのが正直な感想です。
昔の僕は、かなり怒りっぽかった

今でこそ「穏やかですね」「温厚そうですね」と言われることもありますが、若い頃の僕は、正義感が強く、怒りの閾値はかなり低かったと思います。
怒鳴ったり、わめき散らしたりはしませんでしたが、内側では常にメラメラしていました。
そんな僕が、「怒りをコントロールできるようになった」と感じている方法を、今回は紹介します。
まずは、怒りに対する誤解を解こう
最初に、多くの人が持っている誤解を解きたいと思います。
- 「怒り」は悪い感情
- 怒ってはいけない
- 怒らない状態が続くことが幸せ
そう思っていませんか?
僕は、「怒り」という感情は、とても大切だと思っています。
怒りは、強いエネルギーを必要とする感情です。怒りが多い人は、裏を返せばエネルギッシュな人でもあります。
問題なのは「怒ること」そのものではありません。

そもそも、怒りはいつ生まれるのか?
ここで、少し考えてみてください。
- あなたが最近怒ったことは何ですか?
- なぜ、そのとき怒ったのでしょうか?
実は、怒りにはとてもシンプルな法則があります。
怒りは「ルール」が破られたときに生まれる
怒りは、誰かが「ルール」を破ったときに発生します。
例えば──
- 「なんでこんな当たり前のことができないの!」
- 「私が話してるのに遮らないで!」
- 「こんなところに、こんな物置く?」
……はい、かなり怒ってますね。
では、この「ルール」とは何でしょうか?
- 法律?
- 規則?
- マニュアル?
- 文化?
- 常識?
実は違います。
怒りの正体は「マイルール」
怒りを生み出しているルールの正体は、あなた自身の「マイルール」です。
日本人は、同じ文化・教育の中で育っているため、似た価値観を持っていると言われます。
それでも、
- 親の育て方
- 受けてきた教育
- 時代背景
- 趣味・嗜好
によって、一人ひとり違う「マイルール」を持っています。
コーヒーショップで起きた、マイルールの衝突
ある日、コーヒーショップで見かけた光景です。
注文のやりとり

若い新人店員
ご注文はお決まりですか?

高齢おじいさん
ホットコーヒー1つ

若い新人店員
サイズはどういたしましょうか?

高齢おじいさん
M

若い新人店員
ではトールサイズですね。

高齢おじいさん
いや、Mサイズ。普通のサイズのやつあるでしょ。

若い新人店員
トールサイズですね。

高齢おじいさん
だから違うって言ってるだろ!わけわかんないこと言いやがって!馬鹿にしてるのか!

別の店員
お客様すいません。
(実際にカップを並べて)こちらのサイズでいいですか?

高齢おじいさん
おお、それでいいわ。

別の店員
ではこちらのサイズのホットコーヒー1つ、他にお食事等・・・・
おわかりいただけましたか?

若い新人店員
「最初から合ってるじゃん…怒る必要ある?」

高齢おじいさん
「人の話を聞かん若造が…馬鹿にしとるのか!」
二人がこんなことを思っていたかいないかはわかりませんが、
怒りとは私の「マイルール」他人が破ったときに発生します。
何が起きていたのか?
ここで起きていたのは、マイルール同士の衝突です。
新人店員のマイルール:
- 店では店のルールに従って注文すべき
- マニュアル通りに対応すべき
おじいさんのマイルール:
- 客の意図を汲み取るべき
- 客に恥をかかせてはいけない
どちらが正しい、間違っている、ではありません。
怒りは、自分のマイルールを他人が破ったときに生まれる。
ここからが、アンガーマネジメント
この法則が分かったら、次に考えるのはここです。
あなたは、
自分のマイルールを 手放す のか
自分のマイルールを 保持する のか
保持するなら
- そのルールを相手に開示する
- 開示できない場面では「自分はこの状況で怒りやすい」と理解し、事前に対応策を決めておく
多くのアンガーマネジメント研修は、怒りが出てからの対処法ばかり教えます。
でも、もし「怒りの源」そのものが分かっていたら?
- 怒りが起きにくくなる
- 怒りへの罪悪感が減る
- 怒りを客観視できる
そう思いませんか?
次回予告
次回は、アンガーマネジメントの実践編。
- マイルールの見つけ方
- 手放す・保持するの判断
- 怒りが湧いた瞬間の具体的対処
を、さらに掘り下げていきます。
コメントを残す