この実践編から読んでいる方は、アンガーマネージメント(怒りの源編)を知らないと、実践はできませんので、必ずみてください。
前回の復習
怒りの源とは「〇〇ルール」を他人が破った時です。
あなたが選択することはまず、
あなたが持っている「〇〇ルール」を手放すか、保持するか。
保持する場合は、あなたが持っている「〇〇ルール」を開示する。
開示できない場合は、そういう状況で自分は怒るということを予め理解しておく。
では、実践編へ
アンガーマネージメントは、怒ることをやめるということではありません。怒りが湧いた時にどう対処するかです。
手順1
まずあなたが怒りを感じたら、「あっ、私、今怒ってる!」って感じてください。それを自覚したら、すでに第一段階合格です!
もし、すぐに気づけない場合は、その日の夜でも良いので、「今日私、あの時怒ってしまったなぁ」って思い出してください。
僕は今でも、「あっ、私、今怒ってる!」と自覚することなく、なんか今日ずっとモヤモヤした感情が続いていて、1日の最後に何でずっとモヤモヤしていたんだろうって考えた時に、実は弱い怒りが、持続していたのだと気づくことがあります。
手順2
「今」もしくは「今日」怒った原因となる「マイルール」を探す。
なぜ怒りが湧いたのだろう?どんな「マイルール」が破られたのだろう?
誰かの遅刻に対して怒った
→「時間を守るのは当たり前」「みんなに迷惑をかけてはいけない」
挨拶してこない後輩にイラッとした
→「挨拶は後輩からするべき」
提出期限ギリギリで課題をみてほしいと言ってきた
→「修正する時間を考慮して相談すべき」「私の予定などを無視して自己都合で考えてはいけない」
などなど挙げていったら、きりがないですが、こんな大小様々なルールを僕らはいっぱい持っています。持ってるからこそ、怒りが日常的に湧いてくるんです。
手順3 マイルールの選択
その「マイルール」本当に必要ですか? ずっと持っていたいですか?
「マイルール」は自分が作り出したものと自分の知らず知らずのうちに刷り込まれたものがあります。
この作業を繰り返すと、私こんな「マイルール」持ってたんだ〜って不思議に思うことがあります。
だからこそ、マイルールに気づいた時に、本当にそのマイルールを「保持します」or「放棄します」のどちらかを自分で選ぶことができます。
僕の場合で言えば、例でだした「挨拶は後輩からするべき」というマイルールは、野球部だった時代に刷り込まれたマイルールでした。実際、社会人になって思うことは、先輩が誰かと話している時やパソコンで情報収集している時など、私に気づいているかもわからない状況で挨拶しづらい時ありませんか?
そもそも、なぜ後輩から挨拶しないといけないのでしょうか?挨拶は、相手の存在に気づいた人がしたら良いじゃないですか?だから、僕はこのマイルールは速攻で放棄しました。後輩でも、先輩でも自分から挨拶することにしました。そうすると、後輩から挨拶してきた場合「この人きちんと挨拶できる人なんだな。」って感じます。この違いわかります?
今までは、後輩から挨拶してきたら「あたりまえ」だったのが、「できるやつ」に変わるんです。この変化は、自分でも驚きでした。
このマイルールを捨てると選択しても、明日からすぐに修正されることはないので、注意してください。身に染み込んだマイルールですから、その後も、捨てたはずのマイルールで何度か怒ることがあると思います。それでも、「捨てたマイルールだからもういいや」って繰り返し気づいているうちに、怒りとして反応しなくなるので、繰り返し筋トレのようにやり続けてください。
手順4 マイルールを保持する場合
マイルールを保持するという選択も大事です。何でもかんでも捨ててはいけません。なぜなら、あなた自身「マイルール」でできているのですから。
マイルールを保持するとした場合、あなたが「マイルール」を持っているということを、周囲にできるだけ開示した方が良いです。そうすることで、周りの人はあなたのマイルールを簡単に破ろうとしません。
また、開示しずらいマイルールもあると思います。その場合は、そのルールを自覚し、破られた場合の対応策や、対処法を考えておけば良いと思います。
ここで一つ大切なことを伝えます。
あなたのマイルールを他人が破った場合「怒り」という反応でした。では、あなたのマイルールを、あなた自身が破った場合「〇〇」が生じます。
〇〇は何だと思いますか?
ここでちょっと僕の話をしたいと思います。
僕が保持すると決めたマイルールの中に「自分で言ったことは、かなず実行する。(実行しようと努力する)」があります。
集団でミッションを実行している時に、多くの人はフォロワーになり、実際に活動する人はごく一部です。その中でも、僕は「口だけで良いこと言って、実際に何も行動しない人」に怒りを感じました。各々やることを決めて、その場では「こんな事も必要だよね。あれもやらないとだよね。じゃあ、手分けしてやっていこう」と言った彼は、数日後みんなが進捗状況を確認している時に、何一つもやってきませんでした。その後も同じようなことが続き彼への嫌悪感がMAXとなり、結果彼を僕のチームから排除しました。
僕は、マイルールの「自分で言ったことは、かなず実行する。(実行しようと努力する)」があるとわかりましたが、保持すると決めました。そして、それをチームに共有しました。「自分でやると決めたことはやって欲しい。もしできないとわかっているのであれば、最初にできないと言えば、他の人がそれを引き受けられる。途中でできないと感じた時も同じ。あたかもやるとみせかけて、やらないということはやめて欲しいです。やらない、できないは自分で決めてくれていい。どんな人にも好き嫌いや得意不得意があるので、自分で選択して欲しい。ただ、やると言ったことは最善の努力をお願いします。」と、マイルールを開示しました。
そうすることで、簡単に他人がこのルールを破ることはなくなりましたし、僕が一番嫌うことを、みんなが知っているので、できないことややりたくないことは、進んで表明してくれるようになり、各々がどんなことが苦手なのか、得意なのかなどもわかるようになるという副産物もありました。
しかし、こんなにしっかり開示しなくても、遅刻→「自分の時間を他人に奪われたくない」というマイルールなら、「遅れそうなら早めに教えて欲しい」とか、「遅刻しそうな日なら別日に変えたいのだけど」というようなニュアンスで開示しても良いと思います。
また、遅刻に怒りを感じてしまう場合は、遅刻しても大丈夫な状況を自分で設定する。僕は本が好きなので、本屋を待ち合わせ場所にするとか、待ち合わせに本を持っていき、本をゆっくり読める場所を待ち合わせ場所にするとか、対策を立てることができます。
では、こんな対策はどうでしょう?相手に遅刻されるのが嫌なので、遅刻しそうな相手の場合に自分が待ち合わせ時間より10分遅刻していく!僕は画期的なアイデアだと思うのですが・・・。
でもこれって!?
あなたのマイルールをあなた自身が破った場合「〇〇」が生じます。になってますよね?
この〇〇の答えは、「罪悪感」です。
あなたのマイルールをあなた自身が破った場合「罪悪感」が生じます。この画期的な対策は、あなたの怒りは湧かないかも知れない。でも、あなたは罪悪感を抱くことになる。
僕の推奨するアンガーマネジメントはこの「マイルール」が基本です。
それ以外にも、もちろん世の中のアンガーマネジメント研修で習うような、距離を置いて冷静になるとか、輪ゴムぱっちんとかの方法を使うこともできますが、基本はマイルールにどう対処するかです。
他にも怒りのエネルギーをそのまま使って、普段やらないことを終わらしてしまう方法など、いくつかあるので、また説明する機会があれば、やりたいと思います。
これでAさんが少しでも怒りから解放されて、じぶんらしい生活が送られると良いですね!